今週はマーケット動向についてコメントいたします。
4 月 2 日にトランプ米大統領が相互関税を表明して以降、各市場は大きく変動しております。足元では、トランプ大統領の発言・行動で相場が揺さぶられる一方、ベッセント財務長官などによるフォローで持ち直す展開が続いています。
「大統領が次に何をするか読めない」という不安は簡単には払拭できませんが、株式・債券・為替が急落した局面では、当局が政策対応を示唆するケースが増えており、“大きく崩れた場面は買い場” という地合いに変わりつつあると見受けられます。
トランプ大統領の強硬姿勢の背景には、
双子の赤字(財政赤字と経常赤字)の縮小し2025 年末に期限切れとなるトランプ減税(TCJA)の延長、
という思惑があると考えられます。
ただし、中国の台頭やアジア・アフリカ諸国の成長で世界は多極化が進んでおり、米国が過度に強硬策を取れば、中国が他国と連携を強めるリスクがあります。特にレアアースなど戦略物資では、米国も中国に依存する部分が大きく、強気一辺倒とはなりにくい状況です。
選挙サイクルを持つ米国に対し、長期戦を辞さない中国という構図の下、両国は譲歩と強硬を繰り返しながら、米国としては今年中にある程度片を付けたのちに中間選挙を迎えたいといったところ。短期的には押し目買いに妙味が残る一方、長期的にはまだ慎重姿勢を維持することが望ましいと考えます。
(本文は投資を勧誘する目的のものではございません。投資判断はご自身で行いください)