セミナー資料づくりに AI を活用すると、構成案づくりからスライド生成・デザイン調整までを一気に時短できます。とはいえ 「どのサービスを選べばいいの?」 と迷う方も多いはず。ここでは 中小企業診断士 の立場から、初心者にも分かりやすく 主要 AI スライド生成ツールと選定ポイント を整理します。
1. AI ツールを選ぶ5つのチェックポイント
チェック項目 | 見るべきポイント |
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① セキュリティ | 社内規程で許可されたクラウドか/機密資料をアップロードせずに済むか |
② データ参照元 | 自分の PDF・Word・Google Drive だけに限定できるか |
③ 日本語最適化 | テンプレートや生成文章が自然な日本語か |
④ カスタマイズ性 | テンプレート数・配色・フォント・アニメーション調整のしやすさ |
⑤ コスト・法人契約 | 無料枠の有無・月額料金・法人一括ライセンスの有無 |
2. 主要 AI スライド生成ツール早見表
ツール | 特徴 | 初心者向けメリット | 注意点 |
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Manus | テキスト指示だけでアウトライン〜完成スライドを自動生成 | 操作がシンプル/営業提案やセミナー資料の即席作成に強み YouTube | 詳細レイアウトを細かく直すのはやや手間 |
Genspark | リアルタイム共同編集+AI 生成。英語・日本語両対応 | 複数人でブラウザ共同編集できる Genspark | 英語 UI が一部残る |
Felo | 日本企業が開発。多彩なテンプレ&多言語対応。PDF/Word から変換も可 Felo | 日本語ドキュメントでも崩れにくい | 法人プランは別途相談 |
イルシル | 3,000 種以上のデザイン/日本語 UI。短文入力→即スライド イルシル | 日本語テンプレが豊富で操作直感的 | PC 版のみ・スマホ不可 |
Microsoft Copilot(PowerPoint) | 既存 PPT を解析し追加スライドを提案。ブランドテンプレも提供 マイクロソフトサポート | Office 365 ユーザーなら環境変更不要 | 企業テナントでしか使えない場合あり |
Google Gemini + NotebookLM | アウトラインや話す要点を自動抽出 → 別ツールでデザイン化 NotebookLM | 調査・要旨整理が得意 | スライドの見た目は別ツール任せ |
3. シーン別おすすめツール
3.1 社内報告・お堅めプレゼン
- Copilot:会社ブランドに合わせたテンプレで即仕上げ
- イルシル:日本語フォントを崩さず社内規定レイアウトに寄せられる
3.2 公開セミナー・集客イベント
- Manus / Genspark:視覚映え重視のテンプレが多く、短時間で映える資料
- Felo:多言語セミナーや海外顧客向けも一括生成
3.3 「アイデアはあるが構成が決まらない」場合
- NotebookLM へ資料・URL を放り込み、
- キー見出し・論点を自動抽出、
- 生成したアウトラインを Manus など にコピペしてデザイン仕上げ、という2段階ワークフローがおすすめ。
4. 使う前に必ず確認したいこと
項目 | チェックリスト |
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情報管理規程 | 自社の「クラウド利用」「生成 AI 利用」規程に合致するか |
機密データの扱い | 非公開資料はアップロードせず、ローカル要約だけで済むか |
テンプレの著作権 | 商用利用 OK のテンプレか/クレジット表示が必要か |
共同編集制御 | URL 共有時に権限設定(閲覧のみ・編集可)を忘れずに |
まとめ
- AI スライド生成ツール は「アウトライン生成型」と「デザイン特化型」の2段階で使い分けると効率的。
- セキュリティ要件・日本語品質・カスタマイズ性 をまず確認し、自社ポリシーに合うツールから試す。
- 初心者におすすめの組み合わせ
- 簡単な公開セミナー:Manus または Felo で一括生成
- 社内決裁資料:Copilot × イルシル で堅実仕上げ
- 時短効果を実感したら、テンプレの自社ブランド化やデータ参照先の自動化にも踏み込むと、さらに生産性が高まります。
次の一歩
まずは無料プランで 1〜2 枚の試作から。実際の操作感や社内承認プロセスを確認し、自社に最適な AI ワークフローを構築してみてください。